フランスの人気製菓雑誌、FOU DE Patisserie フー・ド・パティスリー。
2013年に創刊され、毎回フランスを代表する人気パティシエが登場する雑誌だ。

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最新の信頼できる研究がすべて証明していますが、私たちが「おいしい」と感じる要因には、味と同じくらい、あるいはそれ以上に“食感”が大きく関わっています。だからこそ、パティスリーがこれほど人気なのも当然です。もちろん味や見た目もお菓子の魔法の一部ですが、パティシエが最もこだわるのは“テクスチャー”なのです。すべてのシェフが、その重要性を強調します。

しっとり、パリッと、ザクザク、とろける、クリーミー――口のなかでリズムを奏でる食感こそが魔法を生み出します。感覚は何倍にも増幅され、目は見開き、なんと幸せなひとときでしょう！

食感のコントロールは美食芸術の要であり、文化をも反映します。アジアでは餅の“もちもち”が愛され、逆に“カリカリ”はさほど重視されません。東洋の人々は柔らかい食感を好み、私たち西洋人は噛みごたえや歯ごたえ、つまり“マチ”や“クランチ”を求めます。

こうして味や色と同様に、食感はフランス菓子の構造を成す重要な要素のひとつです。本号は「ガレット特集」でもあり、まさに食感の祭典と言えるでしょう。折り重なる生地が生み出す、パリッととろける儚い感覚は、まさに食感の宇宙。例年以上にその繊細さと多様性に驚嘆しました。ブリオッシュ風、発酵生地、二層仕立て、クリーム入り、透き通るオパリーヌ、贅沢なシロップ…。現代の菓子芸術の核心にあるのは、まさしく食感なのです。

私たちのパティスリーへの無条件の愛は、味や色だけでなく、“食感”への愛でもあります。どうぞ2025年が、カリッと、しっとり、とろける、そして思いきりザクザクの一年になりますように！

édition: pressmaker 社
114ページ
フランス語
2025年刊行
サイズ:縦 28cm×横 21cm×幅 1cm
ISSN: 2269-7012