1955年にアメリカの雑誌、Fortune フォーチューンにWalker Evans ウォーカー・エヴァンスによる" Beauties of the Common Tool"と名付けられた5枚の写真が掲載された。
日常の道具でありながらも使い込まれたそれらのオブジェクトは官能的なテクスチャと本質的な美しさを兼ね備えたポートレートというべきものだった。
今作はそのオマージュとも言える1冊で、フランスを代表する著名なシェフやパティシエ達が愛用し使い込まれた道具にスポットを当てている。
料理人の魂とも言える包丁を挙げる人もいれば繊細な作業をこなすピンセット、料理の心臓である味を確かめるためのスプーンなど、その人物がどの部分に最も神経を研ぎ澄ましているのかが分かるのも面白い。
Alain Passard アラン・パッサール、David Toutain ダヴィッド・トゥタン、Alexandre Couillon アレクサンドル・クイヨン、Anne-Sophie Pic アンヌ=ソフィ・ピック、Christophe Adam クリストフ・アダン、小林圭、Pierre Hermé ピエール・エルメなど、その名を知らない人はいないのではないかというほど著名な人物が名を連ねている。
その人物の作品ではなく、精神そのものを感じることができる1冊。
édition: Keribus editions社
140ページ
フランス語
2014年刊行
サイズ:縦 27cm×横 19cm×幅 1cm
ISBN: 9791091713030