デンマークで深い歴史を持つレストラン、Søllerød Kro シュルロル・クロ。
その起源は1677年にまで遡る。
その白塗りの建物は地元の牧師達によって旅行者や地元民たち宿としてその扉を開いたそう。
1920年に自動車が普及し、都心部からの観光客にとって非常に居心地の良い旅行先となった。
現在のようなレストランとしての営業を始めたのは25年程前で、デンマークでよく名を知られたシェフ達によってその栄光を守り続けてきた。
その中でも一つのSøllerød Kro シュルロル・クロの料理を一つ上のレベルに押し上げたのはシェフのMichel Michaud ミシェル・ミショーではないだろうか。
コニャック地方出身のフランス人でデンマークに本格的なフランス料理を持ちこんだとされている。
彼の指揮の元、シュルロル・クロは見事ミシュラン一つ星を獲得した。
現在シェフを務めているのはBrian Mark Hansen ブリアン・マーク・ハンセン。
かつてMichel Michaud ミシェル・ミショーがシェフを務めていたRuths Hotel ルース・ホテルでも勤務した経験があり、Chef of the YearやBocuse d´Or Denmarkで第2位に選ばれた人物だ。
レストランを支えているマネージャーのJan Restorff ヤン・レストルフも力も大きい。
マネージャーであり多くの賞を受賞をしているソムリエでもある。そしてなぜか常にコックコートでサービスをするという独特のスタイルだ。
今著は歴史的があり厳かな雰囲気とかつての旅館の温かな雰囲気を兼ね備えたシュルロル・クロを語るに相応しい内容となっている。
細かいレシピの配合こそないものの、その完成された料理とエネルギーに満ちたキッチン、美しい自然や偉大なワインの並んだセラーなど、見ているものを魅了する。
デンマークを代表するグラン・メゾンの真骨頂が詰まった1冊。
Publisher:Forlaget Søllerød Kro 社
288ページ
デンマーク語 英語 併記
2018年刊行
サイズ:縦 34.5cm×横 25cm×幅 3cm
ISBN: 9788797097502