世界の美食界にその名を掲げるノルディック・キュイジーヌ。
NOMA ノーマのRené Redzepi レネ・レゼピやGeranium ジェラニアムのRasmus Kofoed ラスムス・コフォード、Faviken ファビケンのなど著名なシェフは多数いるが、その中でも異端児として名高いのが今作の著者であるBo Bech ボー・ベックではないだろうか。
パリのArpège アルページュでAlain Passard アラン・パッサールに、ロンドンのLe Gavroche ル・ガヴローシュでMichel Roux Jr ミシェル・ルー・ジュニアに、その他にもMarco Pierre White マルコ・ピエール・ホワイト、Alain Senderens アラン・サンドランスといった名だたる人物に師事し、前衛的なスタイルで一世を風靡したPaustian パウスシャンのシェフに就任、ミシュランの星も獲得している。
"ポストモダニスト"や"脱構築的"といった言葉で表現されるその独創的なスタイルはRené Redzepi レネ・レゼピに'The Most Interesting Place to Eat in Europe'とまで言わせたという。
2010年からはRestaurant Geist レストラン・ガイストをオープン、この店でもスタイルを同じスタイルを貫き、デンマークに新聞にも一口ごとに思考と魂があると評価されている。
今著では生の食材を料理に昇華するための失敗と挑戦、その克服が焦点となっている。
怒り、賛辞、伝来、再結合、旅という5つのテーマごとに100点のレシピが掲載されており、それぞれの料理に用いられる材料自体はあまり多くないがそのどれもが独創的でボー・ベックの世界を表現している。
繊細な水彩画も綴られており、それらはGeis ガイストの雰囲気や日常の瞬間を切り取っているそう。
料理本の慣習にもとらわれないボー・ベックらしい1冊だ。
Publisher: BO BECH
344ページ
英語
2018年刊行
サイズ:縦 28cm×横 22.5cm×幅 4.5cm
ISBN: 9788797011911