フランスのリヨンに世界中からファンが集まるショラトリーがある。
その名は BERNACHON ベルナション。1953年から昔の味を守り続けている老舗だ。
この店の特徴はなんといっても、クーベルチュールから自身で行う高品質のチョコレートだろう。マダガスカルやガーナ、ベネズエラなどからカカオを仕入れ、焙煎からブレンドそして粉砕まで全て行っている。フランス国内でもここまで行っているショコラトリーは非常に少ないそうだ。
また、レシピも新しいものもあるが、ほとんどのものが昔ながらレシピをそのまま使っているそうだ。手作りにこだわっているのも老舗と呼ばれる所以であろう。
モーリス・ベルナシオンが1953年にオープンし、彼の息子のジャン・ジャック・ベルナシオン、そして現在は孫のフィリップ・ベルナシオンによってその味はほとんど変わる事なく受け継がれている。因みに2代目のジャン・ジャック・ベルナシオンはポール・ボキューズの娘と結婚しており、フィリップ・ベルナシオンは祖父にポール・ボキューズとモーリス・ベルナシオンという偉大な2人を持っている。
この本の中にはカカオやベルナシオンの歴史、そして創業者のモーリス・ベルナシオンが大統領の50歳の誕生日を祝って考案したという Le President プレジダンというケーキやパレ・ドールといったスペシャリテのレシピが惜しげもなく掲載されている。
最後に創業者モーリス・ベルナシオンの言葉を記しておこう。
《Le chocolat n'est pas une friandise ou une gourmandise, c'est un véritable mets》
Édition: Glénat社
248ページ
フランス語
2009年刊行
サイズ:縦 32cm×横 24.5cm×幅 2.5cm
ISBN: 978-2-7234-6467-3