パリ第八区、星付きレストランのラセールでシェフ・パティシエールを務めているのがこの本の著者であるClaire Heitzler クレール・アイッツレールである。
1978年生まれのアルザス出身の彼女はアプランティ(見習い)の頃から優秀で、19歳の頃にはアルザスの最優秀アプランティに選ばれた程だ。
その後もトロワグロやジョルジュ・ブラン、東京のベージュ・アラン・デュカスやドバイのパーク・ハイアットなどでシェフ・パティシエールとして研鑽を積み、現職に至る。
この本には彼女の魅力が最大限に詰め込まれている。
30点のデザートが掲載されているが、はっきり言って本のサイズから考えると少ないかと思う。
だがそれを補うに十分な内容が詰まっているのだ。
というのもこの本、各デザートごとにレシピやテクニックだけでなく、どういった構想でその形に仕上がったのか、味の組み合わせの由来は何なのかといった事が事細かく記されている。
これは新しいデザートや料理の構成を考えるにあたってのクリエイティブな部分が非常に刺激されるのではないだろうか。
新しい閃きが心地良く生まれそうな1冊。
édition: Chêne 社
フランス語
2015年刊行
320ページ
サイズ:縦 28.5cm×横 23.5cm×幅 3cm
ISBN:978-2-8123-1355-4