シェフとしての新たな転換期を迎えたMathieu Pacaud マチュー・パコー。
今著は彼の20年以上のキャリアの中で培ったノウハウが詰まった1冊である。
美食の町パリにおけるガストロノミーの中心といってもいい場所で育ったマチュー・パコー。
15歳から16区のLe Jamin ル・ジャマンでキャリアをスタートさせ、17歳という若さでPlaza Athénée プラザ・アテネでシェフ・ド・パルティのポジションで働いた。
その後フランスを離れ、レバノンの5つのフランス料理店で働いた後に帰国、2003年から父と共にl'Ambroisie ランブロワジーでの勤務をスタート。最も美しい3ツ星と称されるレストラン、L'Ambroisie ランブロワジーで父と共に6年間腕をふるった。
その後も彼は現状に満足する事なく様々なプロジェクトを開始する。
現在は閉店してしまったが、パリにHexagone エグザゴンとHistoires イストワールという2つのレストランをオープンし、エグザゴンは一ツ星、イストワールは二ツ星を同時に獲得、ミシュランガイドの長い歴史の中でも今まで類がない出来事だそう。
他にも母の故郷であるコルシカ島のDomaine de Murtoli ドメーヌ・ド・ミュルトリのレストラン、La Table de la Ferme ラ・ターブル・ド・ラ・フェルムや、パリのAPICIUS アピシウス、魚介で有名なDivellec ディヴレックなど計5つのレストランで指揮を執っている。
彼のキャリアの集大成とも言える今作は2年の歳月をかけて完成したもので、縦43cm×横35cn×幅9cmの816ページにも及ぶ大判の書籍の中に350点ものルセットが掲載されている。
今著は他の書籍のようにレストランの様子や風景写真が収められていない。
もちろんそれらの写真もレストランの雰囲気を感じられる重要な要素なのだが、今著ではそれらを排除し料理のみに注力している。
今をときめくシェフのコンテンポラリーなガストロノミーが詰まった1冊。
Édition: Glénat 社
816ページ
フランス語
2018年刊行
サイズ:縦 43cm×横 35cm×幅 9cm
ISBN: 978-2-3440-2684-7