2019年の年末に惜しまれながら閉店したスウェーデンの名レストラン、Faviken Magasinet ファビケン・マガシネット。
Astrance アストランスなどで勤務したMagnus Nilsson マグナス・ニルソンによる料理は自然に寄り添うノルディック・キュイジーヌだが、その厳しい環境の中で生み出される料理は他のどのレストランとも違ったものになっていた。
今回の書籍はシェフ、Magnus Nilsson マグナス・ニルソンによるFaviken ファビケンへの頌歌である。
成功の絶頂といってもいいタイミングでの閉店、その決断の難しさや経緯、変化していく世界の中でどのように当時のような世界クラスのレストランになり得たのか。今作にはFaviken ファビケンがオープンしてクローズするまでの4015日間の全てが詰まっている。
レストランを経営しながらも家族の一員としての責任を果たさなければならないこと、レストランにおける持続可能性と偽善、スウェーデン語でちょうどよいバランスを意味するlagom ラーゴムの探求、ソーシャルメディアとの付き合い方、模倣と盗作、イノベーションと手作りの重要性など、彼が悩み続けた食文化に対するエッセイも含まれており、料理人にとって非常に重要な内容なのではないだろうか。
その他にもこれまで提供されたすべての料理が年代順のリストになっており、その中から100点の記憶に深く残っている料理のレシピが掲載されている。
レストラン、スタッフ、食材、料理、スウェーデン北部の風景なども収められており、木目調の表紙はレストランの建物を表しているそう。
Publisher: Phaidon社
324ページ
英語
2020年刊行
ハードカバー
サイズ:縦 30cm×横 22cm×幅 3cm
ISBN: 9781838661250