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Auguste Escoffier オーギュスト・エスコフィエやAntonin Carême アントナン・カーレムなどフランス料理史に名を残す偉大な料理人は数多くいるが、Urbain Dubois ユルバン・デュボワも間違いなくそのうちの一人だろう。
王のシェフでありシェフの王と称されるAntonin Carême アントナン・カーレムはフランス料理やフランス菓子の礎を築き一つの完成形を迎えた。
しかし当時はテーブルの上に多くの料理を並べる大皿料理が一般的だったが、それを現代のような一皿ずつに盛り付けるロシア式サービスに変えていったのがカーレムの弟子でもあったUrbain Dubois ユルバン・デュボワだ。
ロスチャイルド家で見習いを終え、パリのCafé Tortoni カフェ・トルトーニやCafé Anglais カフェ・アングレ、Le Rocher de Cancale ル・ロシェ・ド・カンカルなど当時のパリを彩ったレストランで働いた。ロシア皇帝のパリ大使に仕えた時に考案した子牛のオルロフ風は今でもその名が残っている。
ユルバン・デュボワが遺した書籍は下記のものがよく知られている。
1856年 " La Cuisine Classique "
1868年 " Cuisine de tous les pays "
1871年 " École des cuisinières "
1882年 " Cuisine artistique "
1883年 " Grand livre des pâtissiers et des confiseurs "
1885年 " Teofilo Barla "
1888年 " Nouvelle cuisine bourgeoise pour la ville et pour la campagne "
1889年 " La Cuisine d'aujourd'hui "
1894年 " La Pâtisserie d'aujourd'hui "
今作は1889年に初版が発売されたLa Cuisine d'aujourd'hui の第17版で、出版されたのは1948年。
正確なタイトルはLa Cuisine d'aujourd'hui, école des jeunes cuisiniersとなっており、当時のレストランやホテルで働く若い料理人が知っておくべき現代的な料理が掲載されている。
衛生についてや料理人としての基礎的な知識や心構え、宴会のコースの構成といった当時を知ることができるのも面白い。
ルセットとしてはデジュネ用の冷前菜、温前菜、卵とオムレツ、魚介類、甲殻類、肉料理、家禽と野禽、アントルメ、ディネ用のコンソメとポタージュ、魚介と甲殻類、肉料理、家禽と野禽、野菜とサラダ、温かいアントルメと冷たいアントルメ、グラスとムース、コンポートとジュレといった構成になっているが圧巻なのはその種類の多さ。
ソースやガルニチュールは各50点ほど、それでも多く感じられるが卵料理に至っては300点を超える種類が掲載されている。
ページをめくり料理のタイトルを眺めているだけでも楽しい古典料理好きにはたまらない1冊だ。
édition: Joinville社
787ページ
フランス語
刊行1948年
サイズ:縦 24cm×横 18.5cm×幅 5cm
ISBN: 不明