哲学者プラトンは宴会の食事の席で哲学に耽り、作家ラブレーのガルガンチュアに登場する主人公は大食いというキャラクターである。
モンテ・クリスト伯で知られるアレクサンドル・デュマは晩年にデュマの大料理事典という著作を記した。
とかく古来から芸術と食は非常に強い繋がりがあったようだ。
では現代の芸術家や著名な人物はいったいどのようなものを食べているのだろうか、という疑問が思い浮かぶ。
今回書籍はそんな疑問から生まれたもので約30名の著名な作家や写真家、コメディアンや画家などへインタビューを行い彼らの心の内にある料理を具現化している。
料理を作っているのはパリの五つ星ホテル、l’hôtel Lutetia Paris Rive gauche ロテル・ルテシア・パリ・リヴ・ゴーシュのエクゼクティブ・シェフを務めるBenjamin Brial ベンジャマン・ブリアル。
上海とロンドンのFour Seasons Hôtel London フォー・シーズンズ・ホテルや香港のMandarin Oriental Hôtel マンダリン・オリエンタル・ホテルなどでシェフを歴任したベンジャマン・ブリアルによる料理はどれも卓越したものになっている。
後半部分には英語での記載もあり分かりやすい。
フランスのアーティストの個性とベンジャマン・ブリアルの技術が活かされた1冊だ。
Édition: l'Archipel 社
112ページ
フランス語
2020年刊行
サイズ:縦 28cm×横 28cm×幅 1.5cm
ISBN: 9782809839678