1990年10月4日にオープンした大阪を代表するグラン・メゾンであるLa Bécasse ラ・ベカス。
今作はラ・ベカスの30周年を記念して出版された書籍だ。
シェフの渋谷圭紀についてはほとんどの方がご存じではないだろうか。
かつてPaul Bocuse ポール・ボキューズ、Crillon クリヨン、Moulin de Mougins ムーラン・ド・ムージャン、Jamin ジャマン、Alain Chapel アラン・シャペルという名だたる名店で腕を磨いた人物で、Joel Robuchon ジョエル・ロブション、Poul Bocuse ポール・ボキューズ、Alain Chapel アラン・シャペルという伝説的なシェフに師事した経験を持っている。
常に大阪のフランス料理界を牽引してきた存在であり、日本で僅か9軒しか選ばれていないRELAIS & CHATEAUX ルレ&シャトーに加盟していることからも世界からの評価の高さも窺える。
今著では2019年4月から2020年3月までの1年間を通じて、La Bécasse ラ・ベカスの料理を見ることができる。
細かいレシピなどは記載されていないが、一つ一つの料理に渋谷シェフによる料理の由来や思いが記されている。美しい料理はもちろん、それらの言葉や料理の間に挟まれた今までのシェフの思い出話など、読み物としても非常に面白い。
"完成形を作らない"という哲学で生み出された料理は常に変化していくそう。
素晴らしいレストランとシェフの30周年を象徴する貴重な1冊。
édition: (有)プラ・ド澁谷社
144ページ
日本語
2020年刊行
サイズ:縦 30.5cm×横 22cm×幅 2cm
ISBN: 9784600005283