今作はスペインのCórdoba コルドバにあるレストラン Noorノアの書籍で、シェフであるPaco Morales パコ・モラレスによるアンダルス料理やそのテクニックが記されている。
まずアンダルス料理とは何ぞやと思う方もいるかも知れないので、少し解説させて頂きたい。
歴史の話になるが、スペインはかつてイスラム帝国に支配されていた時代があった。
その期間は714年頃から1492年頃まで約700年にも及び、イベリア半島のほぼ全域が支配下となっていた。
アンダルスがスペインのカトリック両王によって奪還されると、イスラム教徒やユダヤ教徒は強制改宗や追放されたそう。
しかし700年の間に発展した工芸や建築技術、農業技術といった文化は根強く残っており、今では異国情緒漂う観光地として人気を集めている。
統治時代にアンダルス総督の官邸が置かれ、図書館も建設されるなど中心地となっていたのがコルドバであり、今作の著者Paco Morales パコ・モラレスの出身地なのだ。
ビルバオのGuggenheim グッゲンハイム美術館やMugaritz ムガリッツ、El Bulli エル・ブジといいた有名店で腕を磨き、自身のルーツであるアンダルスを3年間研究しNoorをオープンさせたそう。
今著には彼のレストランで提供しているモダン・アンダルス料理が多数掲載されており、細かなテクニックも分かりやすく解説している。
ベースは中世のものでありながらエキゾチックでアヴァンギャルドなアンダルス料理をご覧頂きたい。
Édition: Montagud 社
320ページ
スペイン語・英語 併記
2019年刊行
サイズ:縦 32cm×横 24cm×幅 3cm
ISBN: 9788472121768