近年フランスでの日本人シェフの活躍が著しいが、今作の著者である田中一行はその筆頭ともいえる人物だ。
2021年現在フランスで二ツ星を獲得しているの日本人シェフは3名。もちろん星の数が全てではないが、フランス全土に73軒しかない二ツ星レストランのうち3軒が日本人シェフと考えるといかに凄いかが分かる。
田中一行率いるレストランRacine ラシーヌはシャンパーニュ地方の中心、Reims ランスに位置している。
Reims ランスのランドマークであるCathédrale Notre-Dame de Reims カテドラル・ノートル=ダム・ド・ランスから5分ほど歩いた場所にあるガラス張りの美しいレストランで、非常に洗練されながらも温かな雰囲気を感じることができる店だ。
この書籍では春から冬にかけての田中一行による料理がシャンパーニュの風景やレストランのスタッフ、そしてシャンパーニュの生産者といった美しい写真と共に掲載されている。和の素材も登場するが、シャンパーニュというテロワールのイメージを崩さない程度のみ。
自然と植物、新鮮さと創造性、日本人とシャンパーニュ地方、テクニックと味覚、あらゆる要素がゲストを楽しませることに注力された素晴らしいクオリティのRacine ラシーヌを体現した1冊だ。
édition: Glenat社
288ページ
フランス語
2021年刊行
サイズ:縦 32cm×横 24cm×幅 3.5cm
ISBN: 9782344048399