こちらの書籍は中古での販売です。
角や表紙に少し傷みがありますが、中はきれいな状態です。
----------------------------------------------------
ブルターニュ地方、Cancale カンカル。
モン・サン・ミシェルのすぐ近く、人口5000人程の小さな町だ。
この町にブルターニュ初の三ツ星レストランがある。いや、"あった"という表現の方が正しいだろう。
シェフの名はOlivier ROELLINGER オリヴィエ・ロランジェ。
医者の息子として比較的裕福な家庭に生まれたが、両親が離婚、さらには暴漢に襲われ数週間ものあいだ昏睡状態に陥ってしまう。
2年以上のリハビリの中で自身の人生を振り返り、かつて自宅で開かれていた食事会や食べる事への喜びに感謝し、料理の道へと進むことを決める。
24歳からとかなり遅くに料理人へと転身した彼だが、カンカル近隣の新鮮な魚介、貿易港として栄えていた隣町のサン・マロからの様々なスパイスを用い、1984年には1ツ星、1988年には2ツ星を獲得した。
そして2006年に2ツ星から3ツ星に昇格したが、その僅か2年後に体の不調によりレストランを閉店してしまう。
誰よりも料理や食材、そしてゲストを愛した彼は100%の力でゲストをもてなす事が出来ない事に違和感を感じてしまったのかも知れない。
現在は別の形でエピスリーやレストラン、料理学校を開き人々を喜ばせているようだ。
この書籍は彼がマダガスカルを旅した際に触れて感じたものを料理へ昇華させたものだ。
ヴァニラ、牛乳、カカオ、蜂蜜、リンゴ、胡桃、オレンジ、砂糖、シナモン、ココナッツといマダガスカルの食材を活かした料理が現地の人々の写真と共に掲載されている。
一つの食材、そしてその食材の採れる大地や歴史を深くまで掘り下げ、料理にする彼のスタイルには学ぶべき点が非常に多い。
彼の人柄が表れた貴重な1冊。
édition: IMAGINE & CO 社
244ページ
フランス語
2010年刊行
サイズ:縦 31cm×横 23.5cm×幅 2.5cm
ISBN:978-2-9535017-5-9