サンフランシスコで最も有名なレストランの一つ 『 COI クア 』。
この名の由来はフランス語のquietやtranquilといった落ち着いた、静穏なといった事を意味するそうだ。店内も穏やかな雰囲気をもっており、レストランの批評家が「モダンな日本の茶室のよう」と表現した程だ。現在2ツ星を獲得しているこのレストランのシェフを務めるのが Daniel Patterson ダニエル・パターソンである。
Daniel Patterson ダニエル・パターソンはマサチューセッツに生まれ、母はフランス語と歴史の教師、父は弁護士をしていたそう。だが彼は14歳から皿洗いとしてレストランで働き始める。そして25歳の時にソノマへ引っ越し、そこでレストランをオープンする。5年後の賃貸契約が切れるまで営業し、ワイン・スペクター曰く“町で最も優れたレストランだった”そうだ。
その後いくつかのレストランを開き、2006年に COI クアを始めた。彼の料理は創造的でありながら地元の素材にこだわり、知識の探究を欠かさない。
哲学として、最新の料理技術と地元の食材を融合させ、料理がその土地や記憶、感情を語りかけてくる野生的であり文化的な料理を作り上げる事、を考えているそうだ。
現在彼は4つのレストランを経営しており、ニュー・ヨーク・タイムス、サンフランシスコ・マガジンなどの雑誌の記事も執筆している。
この本の中で彼の料理のレシピが公開されているが、各料理ごとに記されているコラムも是非読んで頂きたい。彼が何に対してどのようなインスピレーションを受け、どのような形でそれを伝えようとしているのか、レシピの更に奥の根幹的な部分を見る事ができるはずだ。
Photos: Maren Caruso
Publisher: Phaidon 社
304ページ
英語
2013年刊行
サイズ:縦 30cm×横 22cm×幅 3cm
ISBN:978-0-7148-6590-4