あなたが世界に美食の旅に出たとしよう。行く先はどこだろうか?フランス?イタリア?アメリカ?中国?それとも日本だろうか?
・・ではドイツはどうだろう?
ザワークラウトとヴルスト、ビールくらいしかない?果たしてそうだろうか。
現在ドイツには9店の3ツ星、23店の2ツ星、そして200以上の1ツ星のレストランがある。これはヨーロッパの中でフランスの次に数が多いそうだ。ドイツの料理界はこの10年で急速に成長を遂げた。それも非常に静かに。だが、未だドイツに美食のイメージがないことを嘆く一人の人物がいる。それがSVEN ELVERFELD スヴェン・エルバーフェルトだ。
16歳の時に料理人になると決めた彼はまず3年間菓子店でキャリアを積み、その後 DIETER BIESLER ディーター・ビースラーや、ドイツで最も尊敬されるシェフの一人、DIETER MÜELLER ディーター・ミュラーなどに師事した。
そして12年前、ドイツのリッツ・カールトン・ホテルにレストラン『AQUA アクア』をオープンさせるのだが、周囲の人からは笑われたそうだ。というのもそこは Wolfsburg ヴォルフスブルクという所で、フォルクスワーゲンの本社があり、企業城下町として発展した元々は工場地帯だった場所なのだ。
だが、回りの声に反し『AQUA アクア』は1年半で1ツ星を獲得し、2005年に2ツ星、2008年には3ツ星を獲得した。
彼の料理を一言で表すなら“調和”ではないだろうか。
彼は皿の上でのコンストラストを大切にしている。クランキー・リキッド・クリーミーなどの食感を一皿の上に乗せ、そこに“温度”を使ってコントラストを表現しているそうだ。
レストランの窓から見える景色を喩えに彼は説明する。
「私はここからの景色や建築物が好きなんだ。右側には古い工場の煙突が見えとても古典的で、左側には現代建築の建物がある。これは私が料理で行なっている、クラシックというものがベースにありながら、前進し続ける努力をするという事と同じではないでしょうか。」
【SHOTS】
BOUILLABAISSE MIT ROUILLE,KRUSTENTIER-BAGUETTE,BOUCHOTMUSCHEL-SAFRAN-SHOT
(ブイヤ・ベース・ルイユ風味、バゲッド・クリュスタッセ、カラス貝・サフラン・ショット)
MENU
HANDKÄS MIT MUSIK-GEEIST ≪HOMMAGE AN MEINE HEIMAT≫
(凍ったハンドケース・ミット・ムジーク≪故郷へのオマージュ≫)
GÄNSELEBER,GRIECHISCHER JOGHURT,ANANAS&MACADAMIANUSS
(フォアグラ、ギリシャヨーグルト、パイナップルとマカダミアナッツ)
ROTBARBE&KALBSBRIES ≪À LA GRENOBLOISE ≫,PETERSILIE,KAPERN&FINGERLIMES
(ヒメジと仔牛の胸腺肉≪グルノーブル風≫コリアンダー、ケッパーとフィンガーライム)
GEANGELTER WOLFSBARSCH,RADICCHIORISOTTO,WILDKRÀUTER
(釣り上げた鱸 赤チコリのリゾット、野生のハーブ )
SEEGURKE&BOUCHOTMUSCHELN,SAUCE MALTAISE,ZITRUSFRÜCHTE,FENCHEL
(海鼠とカラス貝、ソース・マルテーズ、柑橘とフェンネル)
GESCHMORTE FERKELBÄCKHEN&WARM GERÄUCHERTER PULPO,CAESAR SALAD
(仔豚の頬肉の煮込みと温かい燻製蛸 シーザーサラダと )
SIMMENTALER RINDERFILET ≪STROGANOW≫,SAUERRAHM,ROTE BETE,GEWÜRZGURKE,KARTOFFEL
(牛肉のフィレ≪ストロガノフ≫サワークリーム、甜菜、ピクルス、ジャガイモを添えて)
SCHWARZWÄLDER KIRSCHBAUM
(フォレ・ノーワル 桜の木 )
FEIGEN,MOHN&PEDRO XIMÉNEZ
(無花果、芥子とペドロ・ヒメネス)
Photography : Luzia Ellert
Publisher: Collection Rolf Heyne 社
528ページ
ドイツ語
2011年5月刊行
レシピ約70点
ハードカバー
サイズ:縦 30cm×横25.5 cm×幅 4.5cm
ISBN: 978-3-89910-465-3