フランス・パリから車で約20分、ブローニュの閑静な森を抜けると見えてくる美しい建築物。中は第二帝政様式で飾られているこのレストランの名はPré Catelan プレ・カトラン。2007年にミシュランで三ツ星を獲得しており、このレストランを務めるのがMOFでもあるFrédéric Anton フレデリック・アントンである。
元々このレストランは1976年にGaston Lenôtre ガストン・ルノートルが開いたものだ。フランス料理の学校を探した方は知っているかも知れないが、ルノートルという料理、お菓子の学校を開いた方であり、アラン・デュカスやピエール・エルメなど名立たるシェフの師でもあった。
Frédéric Anton フレデリック・アントンがシェフに就任したのは1997年の事。以前はJamin ジャマンでJoël Robuchon の右腕として活躍していた。その後1999年には2ツ星を獲得、2000年にMOF、そして2007年にとうとう3ツ星を獲得するに至ったのだ。
この本は彼の第一作目であり、集大成でもある。内容としては貝類・甲殻類・野菜・魚・肉・ジビエ・デザートといった形で掲載されているが、どの料理も鮮やかで洗練されており、クリエイティブでありながらも芯を外さない素晴らしいものばかり。
また女性のシェフ・パティシエールであるCHRISTELLE BRUA クリステル・ブリュアのデザートも忘れてはならない。それに加えて作中にあるChihiro Masui 増井ちひろの詩的でありながらもリアルで情景が浮かぶ素晴らしいテキストも是非読んで頂きたい。1ページたりとも見落とせない1冊だ。
Photographies: Richard Haughton
Textes: Chihiro Masui
Édition: Glénat社
352ページ
フランス語
2008年刊行
ハードカバー
サイズ:縦 36cm×横 27.5cm×幅 3.5cm
ISBN: 978-2-7234-6695-0