“素材の最高の瞬間を引き出し結晶化させる。そうすれば料理は美しく食欲をそそり、風味豊かな表情を見せてくれる。それはシェフにとっての仕事であり芸術でもある”
Jean-François Piège ジャン=フランソワ・ピエージュ、フランスでも最も有名なシェフの一人だろう。
ホテル・クリヨンにてChristian Constant クリスチャン・コンスタンの元で働いた後、モナコのAlain Ducasse アラン・デュカスのレストラン Louis XV ルイ・キャーンズにてスー・シェフとして勤務。実力が認められ、パリのパラスホテルであるプラザ・アテネのシェフに抜擢される。
彼がシェフになって僅か1年でプラザ・アテネのレストランは3ツ星を獲得し、その後にシェフを務めたホテル・クリヨンでは2つ星を獲得した。その年の最優秀シェフに何度も選ばれるなど、彼の実力は文句のつけようがない。
そして2009年、ビジネス・パートナーであるThierry Costes ティエリー・コストと共に1923創業の老舗ブラッスリーを買い取り、Brasserie Thoumieux ブラッスリー・トゥーミューとしてオープンさせる。一流シェフの料理が手ごろな価格で楽しめるという事で多くの客が訪れ人気を博している。
現在はこのトゥーミューはホテルといての営業もしており、さらには彼自身の名を冠した2ツ星レストランも経営している。テレビ番組のトップ・シェフなどにも度々登場するなど押しも押されはしない人気のシェフだ。
この本の中で約300点のレシピが公開されているが、目次のタイトルが他の料理書とは少し違っている。アミューズ・ブーシュに当たる部分が GRIGNOTAGES グリニュタージュ、齧るもの・間食するという言葉になっている。
メインの部分は4章に分かれており、他の本なら春夏秋冬などの四季に分かれている事が多いが、この本ではRÈGLE DU JE〔U〕#1 私のルール(ゲームのルール)1~4といったタイトルである。
料理はどれも美しく洗練されているが、決して取っつき難い印象ではない。表情豊かで、どこかしら素朴さや素直さといったものが感じられる。彼の人柄ゆえなのだろうか。
Édition: Flammarion社
240ページ
英語
2014年刊行
サイズ:縦 32cm×横 24.5cm×幅 3cm
ISBN: 978-2-08-020212-3