オープンするやいなやミシュラン一ツ星を獲得しその翌年には二ツ星に輝き、予約のとれないレストランとして世間を賑わしていたレストラン Bigarrade ビガラード。当時シェフを務めていたのがChristophe Pelé クリストフ・ペレだ。
Ledoyen ルドワイヤン、Lasserre ラセール、Pierre Gagnaire ピエール・ガニェール、Bristol ブリストルというパリを代表する名だたるレストランで腕を磨いた経験がある彼。
Royal Monceau ロイヤル・モンソーで師事したBruno Cirino ブルーノ・シリノから多くの影響を受け、またブルーノ・シリノもクリストフ・ペレを信頼し彼をエクゼクティブ・シェフのポジションを譲った。
4年後、新たにオープンしたBigarrade ビガラードがこれほどの人気を博したのは当然といえば当然だろう。
だが、クリストフ・ペレが人気の絶頂にあったビガラードを辞めたという話題があがり、その後の挙動が気になっていた人も多いのではないだろうか。
次に彼がシェフの座に就いたのがHôtel Dillon オテル・ディヨンという建物内にあるレストラン、Le Clarence ル・クラランスである。
オーナーはChâteau Haut-Brion シャトー・オー・ブリオン、Château La Mission Haut-Brion シャトー・ラ・ミッション・オーブリオン、Château Quintus シャトー・カンテュスといった名門ワイナリーを所有するルクセンブルク皇太子、Prince Robert de Luxembourg ロベール・ド・リュクサンブールという事もありワインも非常に充実しているそう。
今著はすでに二ツ星の評価を得ているル・クラランスの料理がLAIT、MER、VEGETAL、CRU、TEXTURE、GOURMANDISEというチャプターに分かれて掲載されている。その一つ一つが非常に美しく洗練されており、増井千尋のテキストとRichard Haughton リチャード・ホートンの写真がその魅力を最大限に引き出している。
Clarence クラランスの官能的な美食の世界を楽しんで頂きたい。
édition: Glenat社
320ページ
フランス語
2019年刊行
サイズ:縦 32.5cm×横 23cm×幅 3.5cm
ISBN: 978-2344033517